審査員インタビュー​

本セクションでは、これまでに『English Vocal Election ~全国英語歌唱コンクール~』でのパフォーマンスを審査していただいた、専門家や有識者の方々のご感想などを、一部抜粋してご紹介します。

Vol.Ⅴに審査員として参加​

本山 秀毅(もとやま ひでき)

大阪音楽大学学長/びわ湖ホール声楽アンサンブル桂冠指揮者/京都バッハ合唱団主宰

私もこれまで様々なコンクールに関わって来たが、「歌うこと」について他のジャンルの様子を知り、自分自身の基準を確かめるためにも好機だと捉えてお引き受けした。

小学校高学年から高校卒業後までの若者が、主に年齢と演奏形態によるカテゴリーに分かれて、歌唱とパフォーマンスを組み合わせたものを披露する。コンクールの名前に冠されている通り「英語での歌唱」が課されていて、この世代に単に英語を学ぶだけではなく、実際に生きた英語にパフォーマンス共に取り組むことで彼らと英語との垣根を取り払おうという目的もあるようだ。この日歌われた英語はいわゆる「カタカナ英語」ではなく、ネイティブの「耳コピ」に分類出来るもので、歌った中高生もおそらくその全てを書き起こすことは出来ないだろう。

「全国英語歌唱コンクール」と言われると、パーセルやブリテンの歌曲でも歌わねばならないような印象を受けるが、全くクラシック色はなくソロはミュージカル系とポピュラー系、グループでの出演はパフォーマンスを伴うストリート系やゴスペル系と多彩なステージが展開された。

私にとって勤務先のポピュラーコースのコンサート以外、居合わせることのない場であり、まして競う状況にジャッジを下すという責任を負うのは初めての経験である。しかし、出番を待つ彼らは緊張感に包まれ、共に同じ目標に向かって進んできた仲間と手を取り合っている子供たちの姿は、いずこも同じであった。

意外だったのは一つのパフォーマンスに要する時間が短く、長くても4〜5分とまさに「短期決戦」集中力の世界であったことである。こちらもこの時間内に「音程」「声量」「声質」「選曲」「表現」「発音」などに点を入れながら順位を入れてゆくのは、かなり忙しい作業であった。内容はというと、既に予選を終えた出演者だけあって、なかなかの熱演が展開されたと思う。

テレビ番組で高校生のカラオケの名手を見かけるが、トップグループは間違いなくその辺りに位置するだろう。英語の歌唱であることを考えると、そのレベルは相当なものである。次に続くグループとトップとの差は何かというと、こちらの業界のことは詳しくはないが、才能があることが前提ではあるが、単にそれに任せているだけの演奏は綻びが見えるのである。感じるままに歌うだけではなく、必要なプランや見通しを生かすことが重要である。

私はこの世界でもやはり「耳の良さ」が最後の詰めに対する鍵のような印象を持った。ロングトーンの保持、均等なフェイドアウト、そしてアンサンブルの下パートなど、少し耳があれば解決する問題が詰めきれていないのが惜しかった。

ポップスのレパートリーには北欧の頭声発声のような声にはお目にかからないが、やはり基本は「響き」ではないかと考える。彼らには持ち声以外に「響き」を起こそうという発想が少ないのでハーモニーが溶け合わない。この辺りは合唱と技術の交換も可能だはないだろうか?
 
午後2時間、夕刻2時間、合わせて50組の演奏を聴かせて頂いた。私にとって多くの気付きと学びがある「異業種交流」のひと時となった。

森 公美子

Vol.Ⅳに特別審査員として参加

審査員席で何度か泣きました。本当に皆様がお正月もなく一生懸命練習したんだなあということがどんどん伝わってまいりました。

そして声の在り方自分のコントロール、すごく大変なことです。これはプロにとっても大変なことです。 それをこんな(小さな)皆さんたちがやり遂げたっていうことがあまりにも素晴らしくて・・・本当に涙しました。本当に感動いたしました。

こうやって日本人の人たちがインターナショナルになってきて、そのうちアメリカンアイドルとか 色んなものに出て、どんどんどんどん活躍していただきたいなというのが今日の本当の感想でございます。 これから皆さん世界を目指して頑張るのよ!(メンバーの方を向きながら) 絶対、頑張ってください。

素晴らしい今日はコンクールに呼んでいただきましてありがとうございました。 そして皆さんに会えたことがとても光栄でございます。本当にありがとうございました。

木村 花代

ミュージカル女優/「キャッツ」「美女と野獣」「ウィキッド」などに主演女優として出演

みなさんの歌唱力の素晴らしさに、優劣をつけることなんてできませんでした。

全国から集まり、予選を勝ち抜いてきた小学生から大学生までの若者達によるソロ・コーラスともに、すべて英語での歌唱コンクール。私もライブなど英語で歌うこともありますが、あれだけのネイティヴな発音とそれに伴った表現力は圧巻で、堂々と歌いあげる1 人1 人に大きな拍手を送るとともに、私もまだまだ頑張らなければと力をいただきました。

岡坊 久美子

元文化庁派遣芸術家在外研究員/元ベルリン芸術大学講師/相愛大学音楽学部教授

若く希望に満ちあふれる、青少年たちのエネルギーの結集だった。世界がグローバル化する今日、日本から次世代の舞台を担う人材が輩出される日を待ちわびる。

次世代の青少年には、さらなるヒヤリングの強化を心がけて欲しい。本場に羽ばたくのであれば、何はともあれ発音は大切です!

米田 哲二

相愛大学音楽学部教授/公益社団法人関西二期会理事長

みなさん才能にあふれており、素晴らしいパーフォマンスでした。甲乙つけがたく、賞を取れなかった人も、決して落胆することはないと思います。まず、みなさんの声のマテリアルが良いこと。音楽的なこと。表現力に長けていること。物怖じしないこと。

今後の課題としては、呼吸の支えのある声の出し方を学ぶことによって、より音色の良い音楽的な表現力のある歌になると思います。若いみなさんですから、歌う際オーバーアクションがあったとしても若さにふさわしく、はつらつとした躍動感は素晴らしいです。

しかし、大人になるにつれ、できるだけ無駄な動きをなくしていくことが、より洗練された表現に近づくことになるのではないかと思います。ともあれ、将来性あふれるみなさんにエールを送ります。

水野 賢司

東京音楽大学教授

僕は、普段クラシックの歌の世界に身を置いている身なので、この審査には不安と期待が入り交じっていました。

小学生の部が始まったとたんに、驚きと喜びに満たされました。こんな年少の口と身体から、なんと魅力的な音楽が飛び出して来ることでしょう。それも英語で…。その後、次々と登場する出演者たちのパフォーマンスに魅入り、聞き惚れてしまいました。さすがにファイナルステージに進んだ面々、みんなに優勝して欲しいと思いました。

素晴らしい時を与えていただいて感謝です。みなさん、さらに磨きをかけて、世界に羽ばたいてください。

植木 護

第1回の『English Vocal Election』は、5,000名超のエントリーからも分かるように、大変盛り上がるイベントになりました。このサイトで候補者として発表されなかった多くのエントリー者たちも含め、このなかから将来さまざまなフィールドで活躍する人材が、多数輩出されることは間違いないと確信しています。

そして、このイベントにおいて、Youth Theatre Japan(YTJ)メンバーの多くが、非常に豊かな表現力を発揮してくれたことは、プロジェクトベースの活動を標榜するYTJの活動としても、大変価値があったと推察しています。

よりフランクに言うと、「面白かった! 次もすごく楽しみ! 協賛企業のみなさま、後援の朝日学生新聞社のみなさま、熱いハートのスタッフのみなさま、何より素晴らしいパフォーマンスをしたエントリー者のみなさまに深く感謝!」ということです。笑

西島 和彦

クラシックやジャズ、ポップスなどの洋楽をよく聴き、自分で歌うのも大好きなので、今回の審査は緊張しながらも本当に楽しい時間でした。アレンジに工夫がみられたグループが多く、またソロではNovice 部門の出演者の堂々としたパフォーマンスに驚きもしました。

全国大会はレベルの高い戦いとなり、会場の皆様も審査に苦労されたことでしょう。次回のEnglish Vocal Election(EVE)での審査も、本当に楽しみです。エントリーしてくださったみなさま、審査・投票していただいたみなさま、そして応援いただいた企業・団体のみなさま、本当に「ありがとうございました!」。

審査委員長

髙田 さをり

Youth Theatre Japan 音楽主任講師

Youth Theatre Japan( YTJ)に所属するメンバーについては、表現力・歌唱力ともミュージカルを意識したレッスンを積んでいるだけに、どのグループも素晴らしかったと思います。

選曲によって自分たちの個性を生かしたグループが有利でしたので、次回エントリーされるみなさまは、オリジナル曲も含めて選曲をよく考えるとよいのではないでしょうか。

また、ハーモニーのあり方は、YTJ においては、もっとメンバーと一緒になって、洗練されたものになるように努力を重ねてまいります。こんな機会を与えてくださったみなさまに、深くお礼申し上げます。

<これまでの審査員に関する記事>

EVE vol.Ⅷ
EVE vol.Ⅶ
EVE vol.Ⅵ
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